虫鳥との対話
阻水泊舟竹山下 黄庭堅
竹山蟲鳥朋友語
討論陰晴怕風雨
丁寧相敎防禍機
草動塵驚忽飛去
提壺歸去意甚眞
柳暗花濃亦半春
北風幾日銅官縣
欲過五松無主人
竹山の虫・鳥たちは友達みたいに話しあう。
風雨(あらし)を怖がって照るかくもるか討論し、
わざわいの種・わななどにかからぬようくどくどぼくに教えてくれ、
草が動いても砂塵が起(た)ってもたちまち飛び去ってしまう。
「徳利さげろ」とか「帰るほうよし」とか鳴きかわす鳥の声、ほんとにそうだ帰らねば。
柳は生い茂って暗く花は色濃く、春も半ばだし。
北風が幾日つづくことか、銅鉱管理官駐在のこの県に。
五松の名勝に行ってみたいが、山の主・李白はもういない。
(中國詩人選集『黄庭堅』より、荒井健訳)
鳥や虫たちがまるで友達のように忠告をしてくれる、というのはユーモラスで面白い。このあいだ家のベランダに鳩がいて、触ろうとしたらバタバタと羽ばたいて逃げ惑ったから、あまり鳩からして僕は友達のようには見えなかったのだろう。家の中に蜘蛛はよくいるが、何も話しかけてはこない。しかしよく虫の知らせは感じるほうで、だいたい朝方、「今日は仕事に行かないほうがいい」というお告げが脳中にひらめくのである。それはほぼ毎日だから、要するに仕事が嫌いなだけなのだが。
